テニをはまるまるムし: ボロテリ氏　ウィンブルドン3R：錦織 vs デルポトロ戦プレビュー

Saturday, 30 June 2012

ボロテリ氏　ウィンブルドン3R：錦織 vs デルポトロ戦プレビュー

今日No.1コート第2試合で、第9シードのフアン・マルティン・デルポトロと3Rを戦う錦織圭選手。

彼が13歳の時からトレーニングしているIMGボロテリ・アカデミーのニック・ボロテリ氏が、この試合についての考察を英Independent紙に寄せていたので、ここでご紹介したいと思います。

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フアン・マルティン・デルポトロは強力な武器をいくつか備えた、屈強な大男だ。最も強力なのはサーブ――超音速だ。そのアルゼンチン人は相手を吹っ飛ばす能力を持つが、この対戦について魅力をもたらしているものはネットの反対側の若いマジシャン、錦織圭だ。正反対のスタイルで好カードの期待を高めている。

今大会出場の全選手を見ると――そこには本物のビッグネームもいくつかあるが――ショットメイキングにおいて錦織を上回る選手はいない。秘密は彼のフットワークと素晴らしいバランスにある。彼はコートを素速く走り回り、ポジションを早くとる。彼は危険な選手だ。なぜなら、相手は彼が何をしてくるのか予測できないから。

ゲームについてはどうだろう？彼のバックハンドに注目してみよう――彼は両手で打つために飛び上がるのを好む。彼のフォアハンドはエクセレントでクリーンで鋭く、テイクバックは短い。サーブは随分改良された。ボールに向かって背を伸ばし、より脚を使うようになった。同時にリターンは極上だ。

それがこの試合で重要になるだろう。彼は繊細なスライスやドロップショットでペースを変えることができるし、フォアのアンダースピンで低いボールも打てる。その事がデルポトロとの対戦で彼を助けるかもしれない。

錦織は13歳の時IMGボロテリ・アカデミーに来て以来、長い道のりをやってきた。そして、私は彼がもっと先へ行くと信じている。支持されないだろうが、私はここで錦織は年末までにトップ10に入ると予想する。彼の昨年夏の成績はふるわず、守るポイントは多くない。オーストラリアでベスト8に残り、芝では既にベストの成績だ。

9年前彼がフロリダに来た時――今も住んでいる――彼にとって日本の外は初めてだった。英語はあまり話せず、ホームシックにかかり、奇妙な食べ物に直面した。彼はとてもシャイだった。落ち着いて、アメリカ的なやり方に慣れるのに3年かかったが、なんと今やすっかり馴染んでしまっている。　

彼には傑出したコーチ、ダンテ・ボッティーニがついている。ボッティーニがしているのは、全てをポジティブにするよう気を配ることだ。彼らは何時間も共に過ごしながら、怒鳴りあうようなことは決してない。ボッティーニが学んだことは、ショットメーカーを受け持った場合、コーチはしゃべり過ぎたり、物事を複雑にするべきではないということだ。ショットメーカーの扱いには気をつけなければならない――イライラさせるな。何か言う時は細心の注意を払え。ショットメーカーは普通ではない――弄り過ぎれば創造性を奪い、キャリアの妨害となる。

錦織は芝に合っている。動きが良く、低いボールを拾える。上を抜かれたボールを拾うことができるし、短いボールを返すことにおいても素晴らしい。彼がやってはいけないことは、クロスコートのラリーに持ち込み、大きい相手に強打で打ち勝とうとすることだ。彼はそういうやり方ではウィナーをとれない。サーブをキープしなければならない――ブレークは一回で十分――だが、絶対にサービスをキープして大男を走り回らせなければならない。

デルポトロは、手首の故障後トップ10に戻るなどよくやっている。復帰するには厳しい怪我だ――手首を痛めればキャリアを台無しにすることもあるが、彼はパワーを取り戻した。そして、彼のバックハンドの打ち方に注意してみよう。それは危険だ。コートの中に入って肩の上で打つので、相手にはよりプレッシャーを与える。

ここで重要なのは、錦織は自信を失わないことだ。自分に向かっていくつか爆弾が飛んでくるだろう。彼はこれに対抗する手段を見つける必要があるが、我々が木曜の夜センターコートで目撃したように、スポーツで確かなことは何もない。だからこそ私たちはそれを愛するのだ。

今日の試合：フアン・マルティン・デルポトロ vs 錦織圭

比較

アルゼンチン　国籍　　　　　　日本

23 年齢 22

アルゼンチン、タンディル　居住地　　　米国、フロリダ

右利き　　　プレー 　　右利き

198cm 　　　身長　　　 178cm

9　　　 世界ランク　　 20

11 　キャリアタイトル　 1

7.3億円　 生涯獲得賞金 　1.4億円

8勝4敗　ウィンブルドンの成績　 2勝3敗

2011年 4R 　ウィンブルドンの最高成績 　2012年 3R

2勝　　 対戦成績 　　0勝