Saturday 1 February 2014

全豪2014 DAY2観戦記 (その6) 森田 vs キチェノク

奈良くるみ選手の試合に引き続き、8番コートでは森田あゆみ選手の試合が始まった。

Ayumi Morita

昨年は2月にモスクワで行われたフェド杯でマカロワ、ベスニナの格上選手を圧倒した試合が今でも鮮烈な印象を残しているあゆみちゃん。南京の準優勝までの試合も良かった。グランドスラムでは昨年の全豪で自己最高タイの3R進出後、全仏、ウィンブルドンは初戦敗退。全米は腰の故障で欠場。年始のオークランドでもシード選手のサファロワを下した次の試合で、1ゲームしか取れずくるみちゃんに敗退とやや体の具合が心配。
 

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対戦相手のナディア・キチェノクはグランドスラム本戦は今回が初出場で、この週は106位。第1セットはミスが多く、割とあっさりあゆみちゃんが先取。



Ayumi Morita

Ayumi Morita

年々プロらしい風格が備わっているように見受けられるあゆみちゃん。今年は自分がポイントを取った後、ガッツポーズを作る仕草を再三見かけた。ここで初めて見た頃は、負けた後ですら悔しいと思っているのかどうかよく分からなかったのに(失礼)。

それはそうと、一つ前のくるみちゃんの試合終了後私が席を外していた間に、真後ろの席に新たに4人組が座っていた。夫が言うには

「後ろの人、キチェノクの陣営みたいやで」

キチェノクは双子で姉妹揃ってプロなのだと伝えると、その片割れらしい人が私の真後ろにいると言う。


Kichenok Sistersキチェノク姉妹は、5年前の全豪ジュニアでダブルスに出ていた時に見かけた(画像上)。細くて白くて足が長くて「まるで妖精のようだ」と思ったのを覚えている。双子の片割れリュドミラは現在204位で、今大会は予選で初戦敗退。


P1090211真後ろに対戦相手の陣営とは若干気まずい状況だが、暑さにやられてこの時は席を移動する元気が残っていなかった。そのうちキチェノクの知り合いらしい人物や、同じウクライナのレシア・ツレンコ(画像上、白いパーカーの人)もやって来た。ツレンコは「試合どうだった?」と聞かれて、悲しそうに


”I lost. (負けちゃった) ”

と言った。……かわいい!そして、周りをすっかりキチェノク関係者に包囲される事態に。

お互い無言でそこはかとなく緊張感が漂っていたとあるエンドチェンジ、水筒からカップに水を汲んでいたところ、前に座っていた体格の良いお兄さんが振り返り、

「それアルコール?」

えっ!?まさか、ただのお水です。首から提げたアクレディを見ると「…mic」という字が見えた。トロイッキに似ているのでセルビアの人なのだろうか?しかし英語はアメリカ発音だ。続けて、

「君たちはナディアを応援してるの?」

えっ!?そんなの見たら分かるだろう。不意を突かれて返答に窮していたら、隣りの夫が

「ええ、心の中でね」

と答えて、お兄さんと後ろの陣営から「ハッハッハー」と一斉に笑いが起きた。

第2セットに入るとキチェノクのファーストサーブが決まり始め、ミスも少なくなった。いいショットを持っている。しかし、同セットの終盤になると再びミスが早くなった。まだ不安定らしい。あゆみちゃんはこの試合中、転倒する場面が2回ほどあった。大事なければ良いが。タイブレークとなり、5-5からあゆみちゃんが2ポイント連取して勝った。


Ayumi Morita

あゆみちゃん、全豪2年連続の初戦突破おめでとう!

私が盛大に拍手を送って座ると、また席周辺に静寂が訪れた。キチェノク陣営は落ち込んでいる。「それじゃ」と去りかけた体格の良い気さくなトロイッキ似のお兄さんに、夫は

「また次の大会があるよ。それに彼女はゴージャスだ」

と声をかけると、お兄さんも

「ああ、次の大会、次の試合だ」

と微笑んだ。

プレーし続けている限りは次がある。キチェノクも姉妹仲良く頑張れよ。


Women's Singles - Round 1
森田あゆみ def. Nadiya Kichenok (UKR)
6-2 7-6(5)

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