先週開催のマスターズ1000マドリードで決勝に進出した錦織圭選手は、世界1位のラファエル・ナダルと対戦して惜しくも準優勝。しかし、今週付のランキングでは9位に上昇。日本人男子選手として史上初めてのトップ10入りを果たしました。
マスターズ1000は、男子テニスにおいてグランドスラムに次ぐ格の大会。またグランドスラムと異なり、96ドローのインディアンウェルズ、マイアミを除いて基本的にトップ50前後の選手しか出場できないこの大会で決勝まで残るのは、通常のツアー大会で優勝するよりも厳しいこと。そんな大会で、二週間前ATP500バルセロナでクレー初優勝を果たしたばかりの錦織くんが、またもや決勝進出。今年ここまでのクレーシーズンで最も良いプレーをした選手と言って差し支えないでしょう。
個人的には、錦織くんがマスターズで初めて決勝に出るとしたらまずは秋の上海、パリ、もしくは夏の北米でのハードコートの大会と予想していたので、今回のクレーでのマスターズ決勝進出の報は衝撃度において錦織くんが18歳でツアー初優勝を成し遂げた時と同等、あるいはそれを上回るものでした。
さらに、決勝は決勝でこの数年「ザ・キング・オブ・クレー」の名を欲しいままにしてきたナダルを相手に、一時は1セット＆1ブレークのリード。錦織くんが決勝に残っただけでも夢見心地だったのに、試合開始後の予想外の展開に私は何が起きているのか全く理解できませんでしたよ。次の大一番の機会には、より心の準備をして臨めると思います。
錦織くんのトップ10入りによって何が一番有り難いと言って、ATP公式サイトトップページから1クリックで錦織くんのプロフィールページにアクセスできるのが便利です。うー、早い！また一つお礼を言いたいのは、私が二年半前日本に一時帰国した際の事。私がテニスファンと知る弟たちが「テニスは錦織くんっていうのがすごいらしいけど、どうなん？」と聞いてきたので、
「本物の天才よ。あれほどテニスのセンスのある人は世界中探してもちいとおらんよ。それに錦織くんの良いところは、強い選手の試合が見ていて面白いかいうたら実はそうとも限らんけど、錦織くんの試合はテニスをしたことがない人が見ても楽しめると思うよ。小柄な人が外国の大きな人相手にせんといけんけえ故障もあるけど、2、3年後辺りに見ようてみんさい」
と一席ぶったのですが、今回の活躍のおかげでひとまず姉の面目は保たれたと思います。ありがとう！
錦織くんは今週のマスターズ1000ローマ出場を取り止め、一旦フロリダの自宅に戻って25日から始まる全仏に備える、との事。トップ10入りは嬉しいニュースではありますが、錦織くんは数週間トップ10に入れて良かったね、で終わっていい選手ではないのは明らか。錦織くんの真のトッププレーヤーとしてのキャリアは、今ようやくスタートラインに立ったところです。錦織くんの早い回復を祈りつつ、また素敵なプレーが見られる日を楽しみに待っています。
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