Monday 18 April 2016

マレー ずっと家族が欲しかった & ドーピング問題 & ベッカーお怒り



妻キムさんとの間に2月、初めての子供となるソフィアちゃんを家族に迎えたアンディー・マレー。モンテカルロ・マスターズに向け出発する直前、練習する子供たちで賑わうロンドンのナショナル・テニス・センターで英デイリーメール紙のインタビューに応じたとか。

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初めて親になったほぼ全ての人が赤ちゃんを家に連れ帰った時に直面する「さあどうしよう?」な瞬間について、マレーは

「僕のは病院だった」
「出産は大変だ。素晴らしい事だけど、大変な事。出産後はみんながいる。義理の母もいた。娘が生まれたのは午前1時で、僕たちは夜に少しだけ寝て、義理の母はその日のうちに自分の家へ帰った。助産婦さんは部屋にはいなくて、キムはシャワーを浴びに出ていた。そして娘と初めて二人きりになった」
「僕は娘を抱っこしていて、その時に感情がこみ上げてきた。助けてくれる人もなく、彼女に対して責任があるのは僕だった。病院の人は良くしてくれたけど、家に帰るのが本当に楽しみだった。僕がずっと欲しかったものだから。大きなチャレンジだと思った」
「人生を変える出来事でやりがいを感じたし、僕はそういうものが好きだけど、彼女が生まれた翌日初めて二人きりになって思った。『おいおい、どうするよ?』『もし彼女に何か起きたらどうする?彼女の母親のところに駆け込むのか?』」

マレーがマスターズ1000マイアミの3Rで敗れた後、テレビ解説者のアナベル・クロフトが「マレーは疲れて見える」と指摘したことについて、

「僕はその場面を見なかったけど、僕が試合に負けた事について僕の子供のせいにする類の記事を読んだと、キムが教えてくれた。何てひどい事を言うんだ。そんな事はないし、仮にそうだとしてもそれがどうしたっていうんだ。別に問題じゃない」
「テニスの試合に全部勝って、娘が成長した時『まあさ、うちの親父は嫌な奴だったけど、テニスの試合にたくさん勝ったし、そうね、よくやったわよ』なんて思われるより、夜中に起きて娘の世話をする方がいい」
「親になることは人生のチャレンジだし、それが僕のテニスの助けになれば素晴らしいこと。助けにならなかったとしても、それでいい。そんな事は僕にとって今問題じゃない。僕が優先するのは、まずいい父親になることだ。もちろん、自分の仕事でいい成績を残したい気持ちには今でも変わりはない。一生懸命取り組んでトレーニングしているけど、一番大事なことは良い親になることだ」
「テニスが少し下り坂になったとしても、それでも構わない。そうならない事を願うけど、それが一番大切な事でもない。父親になったばかりだから、とても幸せなんだ。酷い大会が二つ続けば、いつもはかなりその事に囚われてとても落ち込んだ。自分のテニスにはまだ落ち込んでいるけど、家での生活に関してはとても満足している」

8歳の時、通っていた小学校で生徒16人と教師一人が殺害される事件に遭遇。9歳の時は両親の離婚を経験したマレー。いずれの出来事についても多くを語らない彼は、子供時代の最も楽しかった思い出についての質問に、

「子供の頃のことはあまり覚えていないんだ」
「友達や家族と話すと、みんな彼らが7、8歳だった頃の話をするけど、自分がその位の頃の事はあまり覚えていない。悪い思い出があるからじゃない。実際、素晴らしい思い出がある」
「原因は分からない。大変な事は確かにいくつかあった。僕と兄のジェイミーが小さい頃、両親は離婚した。自分の中から締め出したい何かがあるのかどうかは分からない」
「小さい頃は離婚がどういうものか、大人になった今ほどは理解できない。言い争う両親を見るのはとても辛いけど、兄のジェイミーも同じだった。両親は僕たちにとっては本当に良い親だった。たくさんの機会を与えてくれたし、力も注いでくれた」
「週末に時間があれば大会に連れて行ってくれたし、月曜から金曜まで働いていれば子供のテニスの大会のために(スコットランドから)イングランドまで7時間のドライブなんてしたくなかっただろうけど、両親はしてくれた。二人とも素晴らしい親だった。でも、それ(離婚)を乗り越えるのは子供たちにとっては全く簡単な事じゃなかった」

家族で出かけたセンターパークス(注: イギリスを中心にヨーロッパに展開するホリデーリゾート)が、「最高の休日だった」。

「良い父親になることは、そうだな、グランドスラムでもう3回優勝するよりもずっと重要なことだ。それは間違いない」
「それが僕がずっと欲していたものなんだ。ずっと家族が欲しかった。上手くいく結婚がしたかったし、この人だと思える人に出会いたいとずっと願っていた。小さい頃からずっと」
「キムと僕は、僕が18、9歳の頃からの付き合いだ。10年くらいになるし、他の人のように良い時も悪い時もあったけど、僕に移動が多くてあまり彼女に会えない生活は、お互いかなり若い時から多くの努力が必要だった」
「お互い出会えて幸運だったし、上手くいっていることも幸運だ。ずっと家族が欲しかったし、今がその時だった」
「両親の離婚が、僕を安定志向に駆り立てたかどうかは分からない。それは有り得る。確信はないけどね。どうして自分がそういう風に感じるのか分からない。僕がずっと……小さい頃からそれが最優先事項だったなんて、誰にも話したことはなかった。可能性はある。かなり小さい頃から本当に家族が欲しかった。その事について心理学の専門家と話したことはないけど」
「もう少し掘り下げれば面白いのかもしれないけど、原因は僕には分からない。でも、テニスプレーヤーにとっては助けになるよね。移動が多い生活だから。安定する事は良い事だと心から思うよ」

自分の子供時代の経験からソフィアちゃんに受け継いでもらいたいのは、体を動かす事を好むこと。

「体を動かしたりアクティブでいることは役に立つと、本当に思う」
「自分が一日中テレビの前に座っていたらどんな気分になるか知っている。実際、そうした後はあまり良い気分じゃないね」

ソフィアちゃんに望む事は?

「金持ちになったり成功してほしいわけじゃない」
「自分の子供には幸せでいてもらって、とても幸せな人生を送ってほしい。子供に望むのはそれだけだ」

Andy Murray hits back at claims baby is affecting his game and says his family life takes priority over success on court _ Daily Mail Online

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マレーはモンテカルロで、ドーピング問題についても言及。彼はモンテカルロ到着時に検査を受け、今年はそれ以前にも二回検査があったそうで、

「シャラポワのような選手が出場停止処分を受けるのは、ポジティブな事だと思う」
「その手の事が起きた場合、人は耳を塞ぎたいもの。スーパースターを庇うようなことは、僕には大問題だ」
「誰かがそういう過程にあればテニス界は人々に知らせるべきだし、僕が知る限りルールは変わっている。出場停止処分を受けていたり議論になっていたり結論を待っている状態の選手がいれば、公の知るところになっている」
「だからひっそり出場停止処分を受けたり、誰かに『○○選手は故障中』と言われることもない。クロアチアのマリン・チリッチの時は、怪我でウィンブルドンを欠場したことにされた。人が騒ぎ始めて、ドーピング検査で彼に陽性反応があったことが分かった。そして、そういうのは見た目も悪い」
「僕はただ、スーパースターやずるをしている人間を守るために何かするべきではないと思っているだけだ。八百長だろうが薬物だろうが問題の兆しがあれば、『一度きりのこと』『これはとても稀なこと』とか言うんじゃなくて、それを変えるために最大限の努力をするべきだ。だめだ。こういう事が二度と起こらないようにしよう、ってね」
「テニスでは今、大きなお金が動いている。薬物プログラムにもっとたくさん投資したらどうなんだ?大会優勝者は70万英ポンド(約1億円)を貰えて、アンチ・ドーピング・プログラムに使う金額は多分年間2、300万ドル(約2、3億円)だ。だから競技の規範を守るために、全てを賞金に注ぎ込むよりアンチ・ドーピング・プログラムに投資する方がずっと有意義だ」

マレーは、昨年二度目のドーピング違反で15年間の出場停止処分を受けたウェイン・オデスニクと6年前全豪で一緒に練習した際、シャツを着ていない彼の上半身を見て「でかい」と衝撃を受けたとも。その直後、オデスニクはヒト成長ホルモンの所持で2年間の出場停止処分に(調査に協力したため、その後処分期間半減)。

「対戦していて『落ちそうにないな』『疲れ知らずだな』と感じた選手はいる」
「誰かの事を疑ったことはあるかって?ああ、いろいろ話があるね」
「僕らのスポーツでは、技術的な変化でストロークが劇的に良くなったりサーブが良くなることがあるので判断が難しいけど、仮に純粋にフィジカルだけが劇的に変わったなら、例えば6時間の試合を何回プレーしても疲れる気配がない選手がいたら、どうなってるのかなと思うよね」

Maria Sharapova's drugs ban is progress in tennis, according to Andy Murray _ Daily Mail Online

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薬物使用の疑いを抱いた対戦相手がいるとのマレーの発言について、元世界No.1で現在はノバク・ジョコビッチのコーチを務めているボリス・ベッカーが、18日に行われるローレウス世界スポーツ賞出席のためドイツ・ベルリンで「全く不適切だ」と反論。

「我々は不定期に薬物検査を受けて、証拠がない限り100パーセント潔白だ」
「だから、誰かがグランドスラムで優勝したり調子が良いからといって、穏やかでないことを言ったり何かを決め付けたりするのは全く不適切だ」
「アンディーは、ツアーで最も体力がある選手の一人だ。彼が他の選手より体力が続くこともしばしばだし、誰も彼の倫理観に疑問を投げかけたことはない」
「非常に危険な話題だ。僕に言えるのはテニスはクリーンだということだけ。アンディーはクリーンだと僕は100パーセント信じる」
「ロジャー(・フェデラー)はクリーン。ラファ(・ナダル)はクリーン。スタン(・ワウリンカ)はクリーン。これらの選手は皆クリーンだ」
「ラファについてはずっと疑いがあって、それは史上最高の選手の一人に対して非常に礼を欠いていることだと僕は思う」
「僕が何か言えるのはノバクについてだけで、信じてくれ。彼は何度も検査を受けているんだ。グランドスラム一大会で二回ということも有り得る」
「(全豪が行われた)メルボルンではファースト・ウィークとセカンド・ウィークで検査があった。彼はナイト・セッションに試合が入っていた日の朝7時、彼のホテルの部屋へ尿検査のため人が来て僕は思った。『よくもそんな事を。でも、それがルールだからな』」

Boris Becker slams 'totally out of order' Andy Murray after British No 1 admits doping suspicions _ Daily Mail Online

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マレーは別にジョコビッチのこととは言っていませんが、どうしてベッカーさんが怒っているのかな?それにしても、試合が始まる12時間前に検査?素人考えではあまり意味がなさそうな。

とりあえず、ベッカーさんはもうあまり喋らない方がいいような気がします。

2 comments:

  1. お久しぶりです。マレーファンのカオリです。今回のブログでアンディのまっすぐな人柄を改めて感じられてうれしいです。
    それにしても、ベッカーの反応は謎ですねw

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    Replies
    1. カオリさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
      マレーが率直に今の気持ちを語ってくれた、良いインタビューでしたね。

      ベッカーさんは黙った方がいいと書きましたが、それは「今後のご活躍に期待しています」という意味です。

      Delete

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