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注: 国名は左側がホーム。
日本 2-3 イスラエル
16位の錦織圭選手を始めとしてトップ100に3人を擁する日本。一方のイスラエルはNo.1が98位、No.2が223位で開催地は日本とくれば、多くの人が日本の勝利を信じて疑わなかったはず。しかし、デ杯はそれほど甘いものではなかったのでした。以下感想を。
第1試合
添田豪 def. Dudi Sela
6-2 6-4 3-6 6-4
現在98位とは言え、3年前には最高位29位を記録しているデュディ・セラ。決して侮れない相手でしたが、伊達に遅咲きではない添田選手がランク通りの働きを見せ、きっちり一勝。この上ないスタート。
第2試合
Amir Weintraub def. 伊藤竜馬
6-3 6-2 6-4
錦織くんの右肩の故障のため、急遽代理出場となった竜馬選手。過去2戦2勝のワイントラウブが相手ということで、ワールドグループの座を賭けたプレッシャーがかかる場面でシングルスの経験を積むにはまたとない機会かと思われましたが、誤算はワイントラウブが絶好調だったこと。ウィンブルドン2Rでナダルを倒した時のロソルを思い起こさせる強烈なサーブ、ストロークが決まりまくり、たちまち手の打ちようがない雰囲気に。素人考えで「いつまでも相手に同じボールを気持ちよく打たせ続けてはダメなんじゃないか。前後に揺さぶりをかけるとかした方がいいのではないか」と思わなくもなかったり。自分からショットを打っていくことで持ち味の出る竜馬選手には厳しい展開でしたが、あのフェデラーですらホームで負けることはあるわけですから、これも良い経験になったと信じて。
第3試合
Jonathan Erlich/Andy Ram def. 伊藤竜馬/杉田祐一
7-5 6-3 6-3 6-1
普段ダブルスをプレーする機会がほとんどない日本ペアに対し、ダブルスを専門にプレーしているイスラエルペア。思いがけず1セットリードのスタートとなりましたが、試合が進むに連れ経験の違いが如実に現れた形に。
第4試合
錦織圭 def. Dudi Sela
6-3 3-6 4-6 6-4 7-5
1勝2敗で迎えた最終日。後がない日本はエース錦織くんが登場。危なげなく第1セットを先取して、心安らかに観戦できる展開になるのかと思いきや、第2、3セットを連取され絶体絶命。初日のシングルス欠場の理由とされた肩の故障は表向きで、てっきり竜馬選手に経験を積ませるための処置だと思っていたのに、具合が悪いのは本当だったとか?錦織くんの足の動きがおかしいのは気づきましたが、痙攣を起こしていたとは。
4時間31分の試合が終った後は、画面を眺めていただけのこちらももうぐったり。でも、勝ったから構わない。よく勝ち切ったぞ。さすがは錦織くん!
第5試合
Amir Weintraub def. 添田豪
6-3 7-6(5) 4-6 6-3
一日置いて、ランクにふさわしいプレーに戻っていてくれたらいいのにな。そんな希望も虚しく、26歳の誕生日を迎えたこの日も変わらず好調が続くワイントラウブ。
2月のクロアチア戦、第5試合のカルロビッチ戦では2セットダウンとなった後、第3セットの入りでガクンとパフォーマンスが落ちたことを思い返すに、添田選手が今回は諦めずに第3セットを取り返したことは素晴らしかった!第3セットの終盤になってついにワイントラウブが痙攣で動けなくなり始めていただけに、第4セット第1ゲームで雨の中断が入ったのが返す返すも残念。止めるなら、せめて添田選手にあったアドバンテージの始末をつけてからにしてほしかった。でも、この試合でも添田選手には痺れるショットがたくさんありました。爪が剥がれてしまった足をお大事に。
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残念ながら日本は来年アジア・オセアニア・グループⅠに戻ることになりましたが、杉田、守屋両選手も徐々に力をつけている昨今、再びワールドグループに復帰する日もそれほど遠くないと信じています。これからも頑張れ日本!!
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カザフスタン 3-1 ウズベキスタン
カザフスタンの2勝1敗で迎えた第4試合。同国ナザルバエフ首相の突然の訪問でナーバスになっていたというククシュキンがイストミンを下し、3年連続のワールドグループ残留。
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ドイツ 3-2 オーストラリア
全米2Rのvs ロディック戦で一見やる気がないようにも見えるプレーをした件で、プレーオフを前にデ杯監督パトリック・ラフターから雷を落とされ、本人も言い返したとされるトミッチ。
オーストラリアの2勝1敗で迎えた第4試合で、トミッチはマイヤーと対戦。第1セットはマイヤー、第2セットもマイヤーの5-2となった後のエンドチェンジで、普段は温厚なトニー・ローチが厳しい表情でベンチに近寄り、トミッチに何事か声をかける場面が。近くに座っていた人の話では「ここが境目だぞ。もう少し気合は入らんか?」といった類のことを話していたようだったとか。
トミッチはマイヤーにストレートで敗れ、勝負の行方は第5試合へ。しかし、ヒューイットもシュテベにストレートで敗れ、コールシュライバー、ハースのトップ2を欠いたドイツに敗退。オーストラリアは6年連続でワールドグループ復帰ならず。
Roche berates Tomic as Australia crashes out of Davis Cup contention
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ダブルスではグッチオーネとのペアで勝利を挙げたものの、シングルス2試合で精彩を欠いたヒューイット。幾度となく復活を果たしてきた彼ですが、テレビで様子を見ていた限り、今回ばかりはちょっと心配です。この日たまたま足の具合が良くなかっただけでありますように。
ところで来る11月18日(日)、昨年に続き有明で行われることになった東日本大震災復興チャリティーイベント「日清食品ドリームテニスARIAKE」に錦織くん、修造氏と共にヒューイットも出場が決まったとか。お近くの方は是非。
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ベルギー 5-0 スウェーデン
勝ったベルギーチーム。カツラのロクス(左端)が特にいい味。
スウェーデンは13年守ったワールドグループの座から陥落。
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カナダ 4-1 南アフリカ
ラオニッチがシングルス2勝を挙げたカナダがワールドグループ復帰。
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35位で南アフリカのNo.1でありながらデ杯を欠場し、アメリカのチームイベント、ワールドチームテニスの出場を選んだことでネット上で非難を浴びたらしいケビン・アンダーソン。今回の決断について綴った彼のブログによると、カナダ戦に当たり、故障の恐れと量りにかけつつスケジュールを割いて参加しても良いと思えるほどのサポートが国のテニス協会から得られなかった、との事。また驚いたのは、「フルタイムのコーチとフィジオを雇うと、最低でも年25万ドル(約2000万円)かかる」との記述。お金がかかることは知っていましたが、それにしてもお高い!
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ブラジル 5-0 ロシア
ブラジルはロシアに5戦全勝で、9年ぶりのワールドグループ復帰。
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イタリア 4-1 チリ
昨年11年ぶりにワールドグループ復帰を果たしたイタリアが残留決定。
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オランダ 2-3 スイス
フェデラーがシングルスで2勝を挙げる等で、スイスがワールドグループ残留。
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2013年のドローセレモニーは19日(水)、ロンドン時間の午前11時から行われる、との事。
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