Sunday, 3 July 2011

ウィンブルドン2011 DAY12でひとりごと

Day 12: Saturday 2 July


Ladies' Singles – Finals
Petra Kvitova(CZE)[8] def. Maria Sharapova(RUS)[5]
6-3 6-4


女子シングルスは21歳のペトラ・クヴィトワがGS決勝初出場で初優勝。



クヴィトワは初めてのグランドスラム決勝にも舞い上がった様子はなく、終始安定したストロークでシャラポワに付け入る隙を与えず。マッチポイントはこの日初めてのエース。

試合後の会見でクヴィトワ

「言葉を見つけるのが難しい」
「どんな風に感じているかまだ分からない。信じられない感覚が続いている。多分そのうち受け入れられるだろうけど……分からないけど……いつか。勝った時はとてもハッピーだった。変な感じ」

「普通の試合をするような気でいた」
「コートで自分がどう感じているかに驚いた。決勝やメダルではなく、それぞれのポイント、ゲームに集中していたから。時々サーブが良くなかったので、精神的に良い状態を保つ必要があった。先に自分がハードにプレーして、ポイントを作らなければならなかった。そして、その通りにした」

「大勝負が好き。決勝で良いプレーが出来ると信じていたし、そういうプレーをした。サーブとリターンが重要だった。彼女(シャラポワ)のリターンがとても良いことは知っていたが、私も彼女のサーブを返せると知っていた。彼女がいくつかダブルフォルトをするだろうことも。重要なポイントで私はいいプレーをした。リターンもとても良かった」

「昨年はここの準決勝でセリーナ・ウィリアムズと対戦した。勝つチャンスは多くなかった。セリーナはとてもいいプレーをした。私は若かったし、彼女に勝てるとは思っていなかった。それが今回との違い。今日は自分が勝てる感じがした」

レフティーの選手のウィンブルドン優勝は、同じチェコ出身の90年のマルチナ・ナブラチロワ以来。ナブラチロワと、同じくチェコ人で98年ウィンブルドン優勝のヤナ・ノボトナはロイヤル・ボックスでこの試合を観戦。

「二人(ナブラチロワ、ノボトナ)はとても喜んでいた」
「会った後は涙が出た。決勝の後二人と話をしたことは、私にとって最高の瞬間だった」

The Championships, Wimbledon 2011 - Official Site by IBM - Cool Kvitova proves a charming champion

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クヴィトワの優勝を喜ぶあまりチェストバンプを試みた陣営の男性二人。ひっくり返った青いシャツの男性は、クヴィトワの父イジーさん(7/6訂正:お父さんは別の人でした。正しくはこの写真で右から二人目の青いシャツの男性がクヴィトワのお父様)。後ろのアナ・ウィンターにも注目。



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シャラポワは今日もサーブに苦しみつつ頑張りましたが、ちょっと殺気のようなものに欠けていたかも。しかし、あのサーブの状態で全仏ベスト4、ウィンブルドン準優勝の成績は出来すぎ。全米も楽しみです。

ところで、アンディ・マレーの母ジュディさんから「サーシャ・ブヤチッチは、私が近くに座った中で最も騒々しいサポーターだわ。一ポイントごとに叫んで。テニス界のベッカム夫妻ね」というツイートがありましたが、この試合でもさもありなんなエキサイトぶりで笑えました。

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Gentlemen's Doubles - Finals
Bob Bryan(USA)[1] / Mike Bryan(USA)[1]
def. Robert Lindstedt(SWE)[8] / Horia Tecau(ROU)[8]
6-3 6-4 7-6(2)


男子ダブルスはブライアン兄弟が優勝。兄弟のGSタイトルは11個目で、マーク・ウッドフォード&トッド・ウッドブリッジのウッディーズに並ぶ記録。ウィンブルドン優勝はまだ2回目とは意外。

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Ladies' Doubles - Finals
Kveta Peschke(CZE)[2] / Katarina Srebotnik(SLO)[2]
def. Sabine Lisicki(GER) / Samantha Stosur(AUS)
6-3 6-1


女子ダブルス優勝はカタリナ・スレボトニク&クベタ・ペシュケ組。今年からダブルスだけに専念していたスレボトニク。ミックスダブルスではGSで5回優勝があるものの、女子ダブルスのGSタイトル獲得は初めて。35歳ペシュケは、女子シングルスのクヴィトワに続く今大会二人目のチェコ人チャンピオン。この優勝により、二人はダブルス世界ランク1位に。



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サマンサとリシキはどういう縁でダブルスを組むことになったのか興味があったのですが、サマンサはおじいさんが、リシキはご両親がポーランド人(父方にドイツの人も)という共通点があるようです。ダブルスを組むのには関係なさそうですが。

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Boys' Singles – Finals
Luke Saville(AUS)[16] def. Liam Broady(GBR)[15]
2-6 6-4 6-2


全仏ジュニアでは1Rで内田海智選手に敗れ、大会前練習に付き合ったレイトン・ヒューイットをがっかりさせたかもしれない豪のルーク・サヴィルが、今年のジュニア男子チャンピオンに。

大人顔負けの白熱したラリーはこちら。



解説のトッド・ウッドブリッジは、放送の中でルーク・サヴィルについて「AISでトレーニングしている」をしきりに強調。AIS(Australian Institute of Sport) は豪国立のスポーツエリート養成機関で、テニスに関してはジュニアまでは良い成績を出すも、その後がさっぱりという時期が長く続いているため、存在意義が疑問視されているところ。奨学金制度が始まったのは04年、05年ということなので、かれこれ7年分ほどのつけがサヴィルくんを始めとするトップジュニアに回っていることに。

サヴィルくんに寄せられる期待はあまりにも大きい。頑張れ、サヴィルくん他豪ジュニア!

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Mixed Doubles – Semifinals
Mahesh Bhupathi(IND)[4] / Elena Vesnina(RUS)[4]
def. Paul Hanley(AUS) / Su-Wei Hsieh(TPE)
6-2 3-6 7-5


Mixed Doubles – Semifinals
Jurgen Melzer(AUT)[9] / Iveta Benesova(CZE)[9]
def. Daniel Nestor(CAN)[8] / Yung-Jan Chan(TPE)[8]
6-4 6-4


ミックスダブルス決勝は、第4シードのブパシ&ベスニナ組と第8シードのメルツァー&ベネソワ組の対戦に。

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Gentlemen's Wheelchair Doubles – Semifinals
Stephane Houdet(FRA) / Michael Jeremiasz(FRA)
def. Tom Egberink(NED)[2] / 国枝慎吾(JPN)[2]
6-7(4) 7-6(1) 6-4


車いす男子ダブルスではオランダの18歳の選手と組んだ国枝選手が敗退。

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Girls' Singles – Semifinals
Irina Khromacheva(RUS)[3] def. Caroline Garcia(FRA)[2]
7-6(5) 3-6 6-1


Girls' Singles – Semifinals
Ashleigh Barty(AUS)[12] def. Indy De Vroome(NED)
6-4 6-1


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話は遡る事、今年1月。全豪予選にワイルドカードで出場している15歳がいると聞きつけ、見に行ったのがロシアのイリーナ・クロマチェワ(画像右)。


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クロマチェワの第一印象は、その前月に見た豪期待のアシュリー・バーティ(画像左。当時14歳)と体つきがよく似ているということ。どちらも小柄(160そこそこ)で、質感が柔らかくぽにゃっとした感じ。プレースタイルに関しても、二人とも強打で押すプレーではなく、スピン、スライス、フラットを使い分けてラリーを組み立てているようでした。但し、クロマチェワは左利き。

予選1Rの相手は、当時153位の23歳オルガ・サブチュク。クロマチェワはクロスのラリーからのダウン・ザ・ラインがよく決まり、第1セットは6-1でクロマチェワが先取。しかし、第2セット以降は次第に23歳のサブチュクのショットに力負けする場面が目立ち始め、クロマチェワはトップスピンの中ロブでサブチュクをベースラインに留めようと試みるも、それが浅く入っては叩かれるといった具合。

クロマチェワの負けん気の強さは相当なもので、しきりに「ダバイ!(ロシア語の”C’mon!”)」と叫び自らを鼓舞。スコアを間違えてコールした主審に”What?!”とすごい睨みをきかせたりと、眉毛がハの字で一見おとなしそうに見えるバーティとはこの点が大きく違いました。第3セットは痙攣を起こしかけたらしく、しばしばアキレス腱を伸ばす仕草。体が思うように動かないのが悔しいのかひどく憤慨した様子で、目には涙も?

この試合の客席にはボブ・ブレッド氏の姿が。また、試合を終えて帰る途中のノプワン・レッチーワカンと、彼女を応援していたらしいタマリン・タナスガーンも足を止めてしばらくクロマチェワのプレーに見入っていました。結局クロマチェワは予選1R敗退となりましたが、ジュニアではベスト8(QFでキャロライン・ガルシアに敗退)。全仏ジュニアはベスト4。昨年6月にジュニア世界No.1となり、現在は3位。

そんなイリーナ・クロマチェワアシュリー・バーティが、ついにジュニア女子決勝で初対戦。この試合は、次世代の女子テニスを占う大事な一戦になりそうです。


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