Tuesday, 3 March 2009

マッカビー・チャレンジャー DAY4 観戦記 (後編)

添田vs三橋戦の隣のコートでは、ウドムチョクがやたら緩いボールを返すだけで勝っていた。試合の後、ラティワタナ兄弟と一緒にどこかへ車で出かけて行ったと思うと、戻ってきた手にはピザの箱。あー、おいしそう。私もお腹が空いてきた。

最寄り駅の商店街でフィッシュ&チップスやら飲み物やらを買いこみ、再び会場に戻る。最初に来た時は気がつかなかったが、今日のオーダー・オブ・プレーのコピーが無料で配布されている。こんな親切な大会は初めてかも。

それまでは立ち見をしていたのだが、椅子があるらしいクラブハウスの屋上へ行ってみることに。建物右側の壁に屋上へ続く階段を発見。その下には サングラスをかけた男性が一人腕組みをして立っている。"Hi"と挨拶を交わし男性に「上に行きたいんですけど」と伝えたところ、男性はニコリともせず

"10 dollar."

えっ?お金いるの?そんなの聞いてないよ。どうしよう?とダーさんと顔を見合わせていたところ、男性は急に笑顔になり

「冗談だよ」

古典的ながらこれにはウケた。聞けば、クラブと反対側にあるグラウンドで放課後のレクリエーションに参加している息子さんの付き添いで来ているのだと言う。「この位置なら子供もテニスも見られて一石二鳥だろ?」。

ところで、入場料を取らず企業スポンサーも付いていないような大会は、一体どうやって賞金や運営費用を捻出しているのだろう?テニス・オーストラリアが全豪他の大会で得た利益で賄っているのだろうか。謎だ。

屋上に上がると7、8人先客がいて、正面のコートの試合を見ている。私たちがフィッシュ&チップスを開くと、近くにいた10歳位の男の子が物欲しげな顔で見つめ始めた。ああ、気まずい……。



試合をしているのはどちらも豪国籍のマリンコ・マトセビッチとマシュー・エブデン。1月末時点の国内ランキングによると10位と11位で、実力は拮抗している。

実はこの時食べるのに夢中になっていてプレーのことはあまり覚えていないのだが、劇場型のマトセビッチがやたら審判に食ってかかったり

「ハイデーッ!!」
「ヒデバーッ!!」


などと(多分)セルビア語で大声を上げるので、その度にビクッとしては顔を上げていた。

一方、基本的に物静かなエブデン。大事なところでミスをして頭にきたエブデンがラケットを叩きつけようと腕を大きく振り上げたのだが、その瞬間またもやマトセビッチが

「ハイデーッ!!」


と張り叫び、タイミングを失ったのかそのまま静かに腕を下ろしてしまう場面もあった。プレーは二人とも遜色ないのだけれど、訳の分からない勢いの差でマトセビッチが勝ってしまった印象。

マトセビッチは主審と握手を済ませると、なぜかネットに何度も蹴りを入れ喜び(?)を爆発。立ち去り際にはコートに唾を吐き(ハード……)、切れなかった分が風に流れて頬にペターと張り付いた状態で視界から消えた。マリンコ・マトセビッチ……いろいろな意味で当面忘れられないプレーヤーになった。

接戦を落としたエブデンはかなり悔しかった様子で、マトセビッチとは別方向の遠回りになる出口を選択。ラケットを10メートル置きに高々と放り投げては拾い、放り投げては拾いしながらコートを去った。悔しがり方もなんだか大人しかった。


Men's Singles 2nd Round
Marinko Matosevic def. Mattew Ebden
5-7 6-1 7-6(6) 


*****

残念ながら翌日の三橋くんとトミッチの試合は見に行けなかった。トミッチはこの大会はワイルドカードでの出場だったのだが、結局決勝でマトセビッチを破りチャレンジャー初優勝。いやはや末恐ろしい子。

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