Monday, 2 March 2009

マッカビー・チャレンジャー DAY4 観戦記 (前編)

先週メルボルン郊外で開催された男子5万ドルの大会。3Rで「添田 vs 三橋」の日本人対決が実現した木曜日、会場まで足を伸ばした。

会場となったマッカビー・テニス・クラブは、メルボルン中心部から電車で約25分の郊外。駅から歩くには少々厳しい距離にあるので車で向かう。

到着すると日本人対決は既に第2セットの後半。白熱するコートの向こうでは、一般住宅の裏庭で風に吹かれてクルクル回り続ける洗濯物がやたら目に付く。のんびりしたサバーブだなあ。暮らしやすそう。

この国でチャレンジャーレベルの大会を見るのは今回が初めて。コートはメルボルンパークと同じ鮮やかなブルーのプレキシクッションが4×2列の8面。一部穴が開いている場所も見受けられたが、想像していたより随分立派なコート。



線審はサイドに3人、各エンドに1人。ボールキッズも数はいるが、服装から察するに隣接する小学校から適当に見繕って連れて来られたようだ。やる気のなさを隠そうともしないセンターの男の子は、フォルトの1stサーブを拾ってもすぐには元の場所に戻らずネットの真ん中でちんたらちんたら。その度に線審のおじさん達からは"Quick! Quick!"と怒られるのだが気にする様子はなく、クネクネ体をよじらせている。かわいいんだけどね・・・試合中じゃなければ。



三橋淳くん(手前)については数年前修造チャレンジ合宿の様子等をテレビで見る機会があった。その中で強烈な印象を受けたのは、05年ジャパンオープンJrでの出来事。前週からの連戦の疲れが出て39℃の高熱を出しながら3Rの試合に登場したという三橋くんは、フルセットの末ベスト8進出を決めたものの、勝利を決めた後力が抜けたのかコートに這いつくばり立ち上がれなくなっていた。

そんなわけで彼がかなり熱いプレーをする人だという知識はあったが、試合を見るのは今回が初めて。まず気になったのは

"Go! Jun! Go!" "Go forward!"
"Stupid! So stupid!" "Idiot!"

等自分を叱咤激励する豊かなボキャブラリー。修造の「この一球は絶対無二の一球なり!」を超えるひと声をいつか上げるのは彼かもしれない。

この試合の内容は、一人称「私」で綴られる三橋くんのブログに詳しいのでそちらでどうぞ。まだ19歳とは思えないしっかりとした文章で読み応えあり。いつか「D、H、U」で「デュ」の字に変換できることを彼に伝えたい。

ゲームセットとなりネットで添田くんと握手をする際あまりの背の違いに驚いた。三橋くんが163cmと小柄なことも知っていたのだが、試合中は何だか大きく見えた。

今改めて修造チャレンジのビデオを見返すと、「この子を応援したい!」と見た者に感じさせる三橋くんの自己アピール力は当時から図抜けていたようだ。外国育ちで自己主張を要求される環境に慣れていたことも関係しているかもしれないが、ブログを拝見するに彼は自分の頭でしっかり考えてプレーをしているのがよく分かる。テニスに対して真摯な姿勢がこちらに真っ直ぐに伝わってくる。こんな選手をどうして応援せずにいられましょうか!

昨年のイザワクリスマスオープンでは優勝を果たし、徐々に頭角を現している三橋くん。QFではトミッチに1セットリード、2ndもタイブレークでリードしながら逆転負けを喫したそうで随分落ち込んだとか。でも、この悔しさを糧にこれからも精進して下さい。陰ながら応援しています。

対する添田くん。日本No.2の実力通りすごくいいコースにバンバンいいボールを打ち込んでいるのだが、サラサラッときれいなプレーで一見あまり勝負に執着していないようにも見えてしまう(ごめんなさいね)。所属先がテニス部の廃部を決定した直後の豪遠征とあって、すぐに気持ちを切り替えるのは至難の業だったかもしれない。あんなに上手くて涼しげな二枚目の添田くんがATPレベルで活躍できるようになれば、下世話な例えをすれば経済効果にして年間数億円単位で余裕で違ってくるだろうにと考えると

「もったいない。ああ、もったいない」

と呟くばかりだった。

そんな二人は9日からの京都・島津全日本室内に出場との事。お近くの方は是非応援に行ってあげて下さいね。


Men's Singles 2nd Round
三橋淳 def.
添田豪
6-3 3-6 6-4

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