Friday, 26 August 2011

ナダルの自伝「RAFA」から意外な事実 犬が嫌いetc.

昨年の全米チャンピオン、ラファエル・ナダルの自伝「RAFA」が先日発売になったとか。その中で明かされた知られざる事実について、米ESPNに寄せられたライターKamakshi Tandon女史のコラムから。

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妹マリア・イザベルさんとは日に10回電話で話したり、メールをやり取りするほど親しい仲。

好きな食べ物はチョコレートクッキー。嫌いなのはチーズ、トマト、ハム。

いつでもサインに応じるが、「プリーズ」がなければ笑顔は見せない。

怖いのは雷、海の深い所、そして犬。自転車に乗るのに緊張し、寝る時は電気を点けたままの状態を好む。

08年ウィンブルドンで優勝した後、アストン・マーティンの車を購入。実際はその前、全仏期間中に見かけた際手に入れようとしたものの、父セバスチャンさんは反対。「ウィンブルドンで優勝したら買ってもいい」と言われ、ナダルは「その賭けに負けるとは全く思わなかった」。

ロジャー・フェデラー対策は、常にバックを狙うこと。「それが作戦。ややこしいものじゃない」(ナダル)。

しかし、時には例外も。08年ウィンブルドン決勝、ナダルの8‐7で迎えた第16ゲーム。チャンピオンシップ・ポイントを握ることになったポイントでは、フェデラーのフォア側にサーブを打ち、フェデラーはリターンを失敗。それは一瞬のひらめきによるものだったとか。
「ここで素晴らしいアイデアが浮かんだ。こうして思い返してみると、かなりのものだった。ファーストサーブをフォア側のワイドに打った。彼はその時、試合を通してずっとそうだったように、また僕がバックを狙うと思っていたはずだ」(ナダル)

今のところノバク・ジョコビッチへの対抗策はなし。
「フェデラーの場合、遅かれ早かれミスを引き出せる時が来ると信じ、ひたすら我慢強くあること。ジョコビッチに対しては明確な戦術はない。最高のテンションと攻撃性を持って、自分の最高のプレーができるかどうかだけの問題」
「但し、一つだけある。彼に肩の高さで打たせれば、嫌な気分にさせられる。考えさせ、調子を狂わすことができる」 (ナダル)

昨年全米決勝でジョコビッチを下した後、ナダルはスペイン紙のインタビューに対し、チャンピオンシップ・ポイントで「ワイドに打てと言われて、そこに打った」と語り、陣営からサーブを打つ場所について指示があったことを示唆。この件に関して本の中では、サポートを求め陣営を見て、「言われたようにフォア側のワイドにサーブを打った」との記述のみ。

遅延行為や駆け引きと思われている、彼の試合前の一連の儀式や動作について。同じマヨルカ島出身でナダルのメンターでもあるカルロス・モヤは、
「彼は認めないだろうし、僕もその件について尋ねたことはないが、僕は彼がライバルに圧力をかけるために意識的にやっていると固く信じている」。

09年全豪で、準決勝vsヴェルダスコ戦を5時間の激闘の末制した後、決勝でもフェデラーをフルセットの末破り優勝したことは、6-1 6-2 6-2で負ける覚悟ができていたナダル本人にとっても驚きだった。試合当日の練習では疲れとめまいを覚えていたにもかかわらず、決勝独特の雰囲気と、試合前のトニ叔父さんからの激励からエネルギーを得たとか。

両親の離婚(注: 現在は復縁との報道あり)を知らされたのは、09年全豪で優勝した帰りの機上。すっかり熱意を失ったナダルは、その年ウィンブルドンを欠場。
「直接の理由は膝だったが、根本の原因は精神状態だと分かっていた」(ナダル)。

コーチである彼の叔父トニは謙虚であることの大切さを強調し、ナダルには常にもっと良くなれると言い聞かせる。ナダルは叔父の厳しさについて、
「価値がある。常により良い状態を目指す面においては。悪い面もまたある。それは不安定な状態を生み出すから」

メンタルの強さには定評のあるナダル。本人はこの点についてもトニの力に拠るところが大きい、との考え。
「キャリアの初めから全てのコーチング・セッションをあれだけのテンションで行ってきたからこそ、今日試合の中で直面する難しい状況に立ち向かう際、より自制を利かせた状態で臨めるんだ。人がコートにいる時の僕の中に見るような戦闘的なキャラクターを作り上げるのに、トニは大きく関わった」(ナダル)

今年のウィンブルドンで左足を痛めた際、ナダルはプロ転向後初めて経験した大怪我が再発したのではないかとひどく悩んだ。問題は先天的なもので、足の舟上骨が固まらないまま大きくなり、強い負荷がかかるとひびが入りやすい状態。19歳の時その診断を受け、キャリア終了の可能性もあると宣告され泣くナダルに、お父さんは何か解決策が見つかるかもしれないと慰めたそう。全てがうまくいかなかった場合は、プロゴルファーへの転向も考えていたとか。

子供の頃、マヨルカ島を離れてバルセロナ・アカデミーでトレーニングするよう勧められたが、家族が断った。ナダルは家から1時間のスポーツ寄宿学校に入り卒業したものの、本人はそこを嫌っていたそう。

ナダルのお父さんはガラス製造業を営む会社のオーナー。お爺さんは19歳の時、マヨルカ島初のベートーベン「第九」公演開催に尽力した人物。

GFのマリア・フランシスカ・ペレロ(シスカ)さんもマヨルカ島生まれ。フルタイムの仕事を持ち、試合会場には時折顔を見せるだけ。
「彼は試合に出ている間、自分のスペースを必要とする。毎日彼の周りで世話を焼く生活は、私をすり切らせるだけ」
「もし私が彼に付いて回れば、関係が終わるリスクがあると考えている」(シスカさん)

サッカーを見るのが好き。レアル・マドリードの試合がある日は、たとえ当日自分の試合が入っていても朝5時に起きる。

テニスより断然ゴルフが好き。
「ゴルフのプレー中は、断固として友好的に振舞わない。最初から最後のホールまで」(ナダル)

U.S. Open - Twenty things we learn in Rafael Nadal's autobiography – ESPN

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ラファが犬を嫌う理由は「意図が疑わしい」。犬についてそこまで深読みする人がいるなんて、初めて聞きましたよ。

TENNIS.com - News Headlines - Nadal contemplated move to pro golf, reveals book:


Rafa: My Story
Rafael Nadal John Carlin
1847445152

5 comments:

  1. こみねさん、お久しぶりです

    ナダルの本の内容紹介を取り上げていただき、ありがとうございます!
    今までのイメージとは違うラファの一面を見られました。面白そうな本ですね。翻訳版が出ないかな~~

    犬の話は噴き出しました。昔噛まれたことがある、とかが嫌いな理由の定番ですよねえ。

    「プリーズ」が無いと笑顔は見せない、っていうのは・・・本当にラファ本人が言ったのでしょうか!?

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  2. hiruneさん、こんにちは。

    原文の記事を書いたTandon女史は、既に周知の事実とこの本で新たに分かった事実を並列する方法で内容を要約してくれています。サインの件について分かっていたことは「彼がいつでもサインに応じる」ということ、新事実については「たとえ『プリーズ』と言われなくても。ただし、その時彼には笑ってもらえないだろう」という表現です。なので、ナダル本人が「僕は笑顔を見せない」と言ったわけではなさそうです。

    原文で""のあるコメントについては、訳でも「」でくくっているので参考にしてもらえれば。

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  3. 度々すみません。

    >ナダル本人が「僕は笑顔を見せない」と言ったわけではなさそうです。

    のところは、ナダル本人が言ったかどうかはこれだけでは分からない、に訂正させて下さい。

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  4. 丁寧に説明いただき、ありがとうございます。

    コラムニストの方の文章なのに、本からの引用(ナダルの言葉)とごっちゃにして読んでしまいました。すみません。

    ジョコビッチの対応策が早くみつかるといいんですけど・・
    このままだといつまでも「対ジョコ何連敗」って、言われ続けてしまう。
    全米でのリベンジが見たいです。

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  5. いよいよ全米ですね。前哨戦を見る限りではトップは皆今ひとつな印象でしたが、本番になると違うはず。

    ジョコビッチとナダルが当たるとしたら決勝ですね。とりあえず二人が出来るだけ万全の状態で辿り着いてくれたら面白い試合になりそう。いや、ならないはずがない。

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