全豪2014 DAY4観戦記 (その1) 試合開始前

1月16日(木)

熱波がメルボルンに居座ってこの日が三日目。今日も40度を超える予報が出ているうえ、空に雲が一つもない。厳しい一日になりそうだ。

ロッド・レーバー・アリーナ前で今日もお客さんのちょっかいに勤しむカモメを横目に見ながら入場ゲートへ。
 
入場前に恒例の荷物チェックを受けていると、係員さんと私の間に突然長くて黄色いものが「にゅっ」と割り込んできた。ギョッとして顔を上げると、そこにはいつの間にか二羽(二人？)のカモメたちが。知らない内に後を付いて来ていたようだ。バッグの中身をくちばしで突いてはカモメ風の声で

“Mine?”
“Mine?”

と聞いてくる？えっ？違いますよ！これ、私の物ですのでね！しかし、私の”No!”の声などお構いなく

“Mine?”
“Mine?”

冗談としては面白いが、カモメの中の人はコスチュームで身を包んでいる安心感からか遠慮がなく、荷物を容赦なく引っ掻き回す。ちょっと！止めてん！バッグを半ば奪い取るようにしてその場を去った。

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入場直後、練習に出てきたヴィーナス(画像奥前から二人目)に遭遇。手前はサファロワ(左)とフラバーチコワのチェコペア。



錦織くんの2R、vs ラヨビッチ戦が第1試合に入っている6番コートに席を取って、練習コートへ。

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地元オーストラリア勢のルーク・サヴィル。2011年ウィンブルドンJr.＆2012年全豪Jr.のチャンピオンも今年20歳。キルギオス、コッキナキスの年下勢に先を越されつつあるものの、先々週は豪・ポートピリーで行われたフューチャーズでキャリア4回目の優勝。ちなみに同大会女子シングルスの決勝は江口実沙、桑田寛子両選手の日本勢対決となり、江口選手が優勝した。


練習相手は同じオーストラリアのマット・リード。全豪は予選1Rで敗れたものの、その後タスマニア・バーニーで行われたチャレンジャーでは決勝で守屋宏紀選手を下してチャレンジャー初優勝を果たした。ちなみに、この大会も女子の優勝者は江口実沙選手。

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コートから引き上げるニコラ・マウ(画像左)。昨年予選から出場した芝のスヘルトーヘンボスでツアー初優勝。その後、さらに同じく芝のニューポートでも優勝した彼。全豪中に32歳の誕生日を迎えた今シーズンは、今週キャリアハイの39位を記録と、昨年の全仏で引退の話も出ていたとは思えない活躍。

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ジャジャーン！今年の女子シングルス・チャンピオン、リー・ナ。もちろん、この時点ではそんな展開になるとは露知らず。


しばしばアジア人として日本人と中国人が同じ括りで語られるが、こうして目の当たりにするとリー・ナは骨組みからがっしりとしていて、いかにも大陸の人という感じだ。あまり参考にならなさそう。

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ジャジャジャーン！こちらは男子シングルス優勝のスタニスラス・ワウリンカ。この日は、後の男女チャンピオン二人に立て続けに遭遇していたことになる。

ワウリンカの背中一面に広がった発疹が気になる(分かりにくいかな？)。シーツにダニがいるようなホテルに泊まっている訳でもなかろうに。アンディー・マレーはストレスから来る口内炎を患っているという話があったが、ワウリンカはストレスや疲れがお肌に現れるタイプなのだろうか。トッププロの世界は厳しい。


このままワウリンカのバックハンドを永遠に見つめていたい気分だが、まだ回っていないコートがあるので一旦離れる。


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年明けて1月はオークランド、シドニー、全豪と全て初戦敗退に終わったロベルタ・ビンチ。2月に入ってもパリ、ドーハ、ドバイで勝てず、今年は未だシングルスで未勝利。ビンチと同じイタリア勢で今年勝ち星のなかったスキアボーネは6日、インディアンウェルズ1Rでバーテルを下して2014年9大会目にして初白星。老け込むにはまだまだ早い。ビンチも続け！




ビンチのダブルスパートナー、サラ・エラーニも全豪は初戦敗退。シングルスがあっさり終わってしまった今、全豪ダブルス連覇に向け練習に熱が入る。




先日ムラデノビッチが同じような格好をして練習するのを見た時は「おっ！」と目を奪われるものがあったが、エラーニが露出高めの服装をしていても「今日は暑いものねえ」としか思わないのは何故だろう。しかし、さすがにいい腹筋をしている。

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モナ・バーテル。全豪は3R進出(ペネッタに敗退)。





ネットの反対側、バーテルの練習相手を見た時は「この人もしかしたら青山修子さんより小さそうなのにかなり上手いなあ。しかもシングルバックかあ。念のため写真を撮っておこう」くらいにしか思っていなかったが、後にバーテルのダブルスパートナー、ミーガン・モウルトン-レヴィだと知った。冷静に考えてみれば、ここでダブルスの試合がある日は、朝一緒に練習しているのはまず間違いなくダブルスのペア同士に決まっているのだが、モウルトン-レヴィが外国の人にしてはあまりに小柄なので、即座にはプロだと信じられなかった。そう言えばこの人、去年大阪に来てたな。土居＆宮村組と試合をしているのを見て、「美咲ちゃんより小さい外国人選手！」と驚愕したのを思い出した。


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仲良くストレッチをするデニス・イストミン(手前)とミハイル・エルジン。

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パキスタンのアイサム-ウル-ハク・クレシと……




インドのロハン・ボパンナ。今年ペアを復活させた二人はシドニーで準優勝、先週はドバイで優勝と好調。全豪は3R進出。


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ヴィーナス・ウィリアムズ。シングルスは1Rでマカロワに敗退。妹セリーナと組んだダブルスにも出場予定で、この日も練習していたのだが……


どちらの都合だったのか、結局出場はキャンセルとなった。うーん、残念。




ちなみに、ギャラリーの中にはセリーナ(？)がいた。


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ワウリンカのいる12番コートに戻る。


コーチのマグヌス・ノーマンがヒッティングの相手。彼の現役時代を知る人が見たら「あー、懐かしい」というフォームなのかもしれないが、彼の全盛期は私があまりテニスを見ていない時期だったので、見ていても特に感慨が持てなかったのが残念。それにしても、コーチとして付いていたソダーリングが09年全仏で準優勝、そして今年はワウリンカを全豪で優勝させた手腕には驚く他ない。指導の秘密が知りたい。絶対に教えてくれないだろうが。

優勝記念に、ワウリンカの練習写真も多めに公開。