さて、4日間続いた熱波がようやく去った土曜日、注目の錦織圭選手の3R、vs ドナルド・ヤング戦はマーガレット・コート・アリーナのナイトセッションというなかなかゴージャスな枠に入った。マーガレット・コート・アリーナはグラウンド・パスで入場できるのだが、今年から土日用のグラウンド・パスは新料金が設定され、私が持っている5日券は使用不可となった。世知辛い世の中だ。土日の分はまだ買っていなかったので、金曜の夜ネットで購入することに。
本当は奈良くるみ選手の3R、vs エレナ・ヤンコビッチ戦が第1試合に入ったハイセンス・アリーナのデイ・セッション・チケットが手に入れば言うことなしだったのだが、そんな人気チケットが前日に残っているはずもなかった。やっぱりねー。諦めてグラウンド・パスを買おうとしたところ、画面に
Allocation Exhausted (割り当て分完売)
の文字が。は?ただの入場券であるグラウンド・パスが売り切れとはどういう意味ですか?ってことは何?グラウンド・パスがもうないということは、錦織くんの試合が見られないって事?しまった、これは大失敗をしたかもしれない!
――パソコンの前でパニックに陥る事数分。残っているのは、ハイセンス・アリーナのナイト・セッションのチケットのみ。うわ、「シモン vs ツォンガ」なんておフランス馴れ合い対決見ても仕方ないし……いや待てよ。ひとまずこのチケットがあれば会場に入れるから、その足でマーガレット・コート・アリーナに向かえばいいのか。そうか、その手で行こう!
当日。家に居ても何だか落ち着かないので、3時過ぎには会場に来てしまった。ナイトセッション・チケット保持者向けの開門5時にはとりあえず場内に入れるとして、その時点でマーガレット・コート・アリーナが埋まっていたらどうしよう。席のない客は、試合が始まれば皆排除されるはず。不安を抱えつつしばらくロッド・レーバー・アリーナのジャイアント・スクリーンを眺めて過ごしていたが、やがて隣りの夫がすくっと立ち上がった。
「チケットがないかダメもとで聞いてくるわ」
そう告げると売り場に向かい、ほどなくしてチケットを2枚握り締め戻ってきた。
「カウンターで遠慮がちに『今日のグラウンド・パスがあったら嬉しいなあと思ってるんだけど』言うたら、『はあ?何言ってんの?』みたいな顔されて、すぐ売ってくれたで」
えっ?ネットでは売り切れだったのに……はっ、もしかして「Allocation Exhausted」とは「その日の割り当て分が完売」ではなく、「ネット販売分は完売」という意味だったのか。そして、私みたいなのがまんまと罠にかかってアリーナの高いチケットを買わされたのか。これは一本取られたな。まあ、いいや。今すぐ入れば、錦織くんの試合の席は何とか確保できるだろう!
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