Sunday, 16 June 2013

ツォンガ 6年前のチャレンジャー優勝の思い出、人生で大切にしている事他

母国開催の全仏で、キャリア最高のベスト4入りを果たしたジョー-ウィルフリード・ツォンガ。クイーンズ開催前に、英ガーディアン紙のインタビューに応じたとか。

その際ツォンガが最も詳細に語ったのは、先日全仏準々決勝でフェデラーを倒した試合の話ではなく、07年に優勝した英サービトン・チャレンジャーの話。

「(クイーンズに初出場した07年の)同じ週に、サービトンのチャレンジャーに出ていた。6日間で8試合した。サービトンからクイーンズに行って、サービトンに戻る。2日で5試合した。楽しかった」
「サービトンでは小さいホテルに泊まった。名前は思い出せないけど、とても小さかった。僕と前のコーチ(エリック・ウィノグラドスキー)だけだった――そしてその週は素晴らしいプレーをした」
「優勝した後、ビールを飲んだ。僕はこんな風(酔っ払った顔)だったから覚えている。僕はビールに慣れていなかった。でも、エリックは僕に『優勝した後は酒を飲むものなんだ』って。だから一杯だけ飲んで、すっかり酔っ払った。素晴らしかった」

トレードマークの勝利のダンスを初披露したのも、同じ週のクイーンズでの出来事。

「それはここ、クイーンズでレイトン・ヒューイットに勝った時が初めてだった。全く自然に起きたことだった。僕はとてもハッピーだったから。レイトンはディフェンディング・チャンピオンで、それまで4回優勝していた。僕は120位で、レイトンに勝ったことで初めてトップ100に入ることを知っていた。僕の目標の一つはトップ100に入ることだった――一度でもね!だからこの喜び方をして、観客が気に入ってくれて、僕は思った。『よし。ここで気に入ってもらえたなら、多分どこでも気に入ってもらえるだろうな』」

サービトンでのような生活を懐かしく思う?

「もちろん」
「僕は若かったし、僕にとってテニスはただのゲームであり楽しみで――仕事じゃなかった。でも、次第にシリアスになり始めた。皆が僕にいいプレーを期待していたから。そして、僕は情熱を失った。二年前、コーチなしで一人になることを決めた。それでまた自発的に取り組めるようになった。難しかった。僕は前のコーチと7年間一緒にいたから。いい時もあったし、一人で息がしたい、一人になってゲームへの愛を取り戻したいと彼に伝えるのは辛かった。でも、実行して幸せだった」

ガルビスの「(物議を醸す発言を避ける)トップ4はつまらない」発言について。

「僕ならトップ4が面白くないなんて絶対言わない。彼らがしている事はクレージーだから」
「ラファは全仏で8回目の優勝をしたばかりだ!信じられないことだし、どこでも勝ち進む。ガルビスが言いたい事は分かるけど、僕は上位4人だけの話じゃないと思う。全プレーヤーがそうだ。でも、それが今世界の向かっている方向だ。今はただ大会に出てプレーするだけ。何もシェアしない」

テニスプレーヤーがキャリアの目標から外れないよう没個性になって、人当たり良く振舞う傾向は悲しい?

「もちろん」
「自分が30年前にプレーしていたらと思う。当時は素晴らしかった。テニスプレーヤーにとって最も良い時代だった。アンリ・ルコントやヤニック・ノアはいつも僕にこう言うんだ。彼らには楽しい事がたくさんあった、って。今はとてもプロフェッショナルで、お金もたくさん動く。でも、僕はそれがお金だけの問題かどうか分からない。メディアも関係していると思う。何か物議を醸すような発言をすれば、その週はずっと問題を抱えることになる。――ここやオーストラリアやどこでも。5秒で世界中に広がるから」

先月マドリードからローマへの移動の際、マレーのプライベートジェットに誘われた話も。

「アンディーが電話してきてくれて本当にうれしかった。僕は普通の飛行機に乗る予定だったけど、アンディーが『よし、僕らには無駄に大きい飛行機があって、乗るのは二人なんだ。一緒に行こうよ』って。アンディーのような選手が他の人間の事を考えられること、何かをシェアできるということが素晴らしいと思った。彼とプライベートで話すのは初めてで、大いに会話を楽しんだ」
「僕はアンディーのことを12歳の頃から知っているから妙な話なんだけど、実際のところ彼のことはよく知らないんだ!僕達は毎週同じ街で過ごして、同じ大会に出てほとんどいつも一緒にいるのに、『やあ、元気?』くらいしか言葉を交わさない。ノアやルコントの時代にはマッケンローやビランデルと一緒に飲みに行って、ギターを弾く時間もあったのに。今ではそれがとても難しい」

全仏では、地元フランス人として88年のルコント以来となる決勝進出まであと一歩のベスト4。キャリアで最も感情が動かされる経験だった?

「そうでもない。普通だった。(準々決勝で)フェデラーに勝った後は、新聞やテレビから離れていた。だからホテルに戻って、『オーケー、また勝ったぞ』。(コーチの)ロジャー(・ラシード)に『明日は何がある?練習は何時?』と聞く。よし、街には出ないでおこう。そうすれば、誰からも『国全体がクレージーになっているよ』と言われずに済む」
「最も心が昂ぶったのは、僕は40位かもう少し下のランクで08年の全豪で決勝に進んだ時、2011年ウィンブルドン準々決勝でロジャー(・フェデラー)に勝った時。最も興奮するのは自分の夢が叶った時だ。子供の頃は全仏で満員の観客の前でプレーするのが夢だった。ウィンブルドンでロジャー・フェデラーのようなビッグな選手を倒すのが夢だった。あれが僕にとって最高の時だったかもしれない。僕は2セットダウンから逆転したから」

グランドスラムで優勝する夢はまだ捨てていない?

「もちろん。だからフェレールに負けたのは辛かった。僕はいいプレーをしていたし、準決勝でもう一段上のレベルに行くことを望んでいた。だから、自分の負け方は少し悲しかったし、この先数週間は僕の頭から離れないだろう。でも、今週はクイーンズがあるし、それからウィンブルドンだ。だから、その件はどこかよそにやるよ」

トップ4を押しのけて自分がグランドスラムで優勝できると思う?

「ああ、ロジャー・ラシードを僕のコーチとして選んだのはそのためだ。よし、僕は今28歳だ。もう数年残っている。今しかない!でも、たとえキャリアの最後に大きなトロフィーがなかったとしてもこう言える。『オーケー、僕はロジャーを倒した。ノバクを倒した。アンディを……』」

普通の生活とテニスのバランスを取ることについて。

「どうしてそれが重要だと思う?テニスは本当の生活じゃないからさ。普通じゃない。特に僕はフランスの片田舎の出身で、そこでの生活はこことは全く違う。両親は金持ちでも何でもなかった。普通の人達で、大きなホテルに泊まって注目を一身に集めることは、僕には今でも特別なことだ。絶対に慣れない!両親はいつも僕に良いテニスプレーヤーになれとか、自分のしている事で一番になれとかじゃなく、礼儀正しくあるよう教えてきた。だから、僕は疲れている時や負けた時でも、彼らの価値観を守るようにしている」
「僕が負けると、時々他の人達は僕にがっかりする。人々の僕に対する視線が、自分の家族の誰かに大問題となっているように僕は感じる。本当に!(爆笑) ちょっと待ってよ。ただのテニスの試合だよ。もちろん僕はテニスを愛しているから重要なことだし、いい結果を残したいけど、結局ただのゲームなんだよ」

これから5年間の夢について。

「家族を持てたらいいな。家、それと庭があればいいね。それにバーベキューも。本当にシンプルな物と、ハードワークへの情熱だけ」
「普通であり続けて、本当の世界に生きることが重要だ」
「人が幸せを見つける場所はそこなんだ」

Jo-Wilfried Tsonga: 'I'm 28. I have a few years left. It's now or never' | Sport | The Guardian

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12日の彼のツイートより。コラージュの中にどういう訳かドラゴンボールが。オラに元気を分けてくれ?



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こちらはクイーンズで15日、準決勝開始を待つ間、対戦相手のマレーとテーブルサッカーに興じるツォンガ。



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試合は4-6 6-3 6-2でマレーが勝利。




023 Jo Wilfried Tsonga 14x14 Silk Print Poster
B00CP96EVI

4 comments:

  1. すごい、面白かったです。ツォンガとマレーはプライベートジェットで一緒に移動するまで、ちゃんと話したこと無かったんですね!
    でも、そのおかげで私が好きな二人の距離が縮まって喜ばしいですw

    今の時代、人当りよくなっちゃうのは、仕方ないですよねー。へたな事言ったり、したりしたら、叩かれ方が尋常じゃないし。

    強烈キャラの一人や二人は欲しいとこですけどねー。ガルビスくんには成績も含め、その辺をもっと頑張ってほしいですねw

    あ、先日のマレーのインタビューのもありがたく読ませていただきました!

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    1. カオリさん、こんにちは。

      >ツォンガとマレーはプライベートジェットで一緒に移動する
      >まで、ちゃんと話したこと無かったんですね!

      私もその部分にびっくりして!周りの人に気を許すのが難しそうな世界っぽいですが、12歳の時からの知っているということはもう16年も顔を会わせているのに、そんな事が本当に可能なのかと。意外でした。

      思い切った発言をしてもなぜか許される人と、そうでない人というのがいますよね。ガルビスは許してもらえる貴重な存在だと思うので、彼が頼りです。

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  2. 初めまして!いつもいつも楽しみにブログを読ませて頂いております。

    海外メディアの記事の内容が知りたくても、語学堪能でなく、自動翻訳では全く意味が分からず、困っていました。
    こみねさんのお陰で、好きな選手の情報や今まで知ることのできなかったテニスの世界が見られて、感謝しています。
    今回の記事で、ツォンガの本人の素直な気持ちに触れることで、
    彼の性格の良さが見えました。
    家族を持ちたい。。。
    思わず、立候補したくなりました(笑)

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    1. はなこさん、はじめまして。いつも読んで下さってありがとうございます。

      ツォンガは利己主義に徹しきれないタイプのようですね。スポーツで頂点を目指そうかという人がそれではもしかすると怒られるのかもしれませんが、勝敗にこだわりすぎて自分が本当に大切にしているものを見失いたくない、という彼の気持ちも理解できるので何とも言えません。ツォンガと一緒なら幸せな家庭を築けそうですね。はなこさん、是非立候補しましょう。

      テニス関連の面白い記事を見つけて一人で「へー」とか「ほー」とか言っているだけではも一つ物足りないので、このブログを通してさらにテニス観戦を楽しんでもらえたなら、こんなにうれしい事はありません。

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