来月14日から始まる本戦のダイレクトインを逃した国内選手で争われるこの大会は、男女の優勝者が本戦のワイルドカードを獲得。毎年ちょこちょことフォーマットに変更があり、昨年の女子は16人が4グループに分かれ、ラウンドロビンで最も良い成績を残した選手が準決勝に進出、男子は24名出場のノックダウン方式だったのが、今年は男女共に16名出場のノックダウン方式に。また、男子はこれまで決勝だけが5セットマッチで行われていたのが、全ての試合を5セット、かつ各試合の間に1日休みを取るグランドスラムと同じスタイルに。
予選では3セットマッチを3試合勝てば本戦入りできることを考えると、些か厳し過ぎるようにも見えるこの度の変更。とはいえ、ワイルドカード・プレーオフに出場する選手は皆、5セットマッチの経験が僅かだったり皆無に等しいのは事実で、経験不足からくる漠然とした不安を抱えたまま本戦で格上の選手に挑むのは、確かにあまり本人のためにならないかも。
既に本戦入りを決めている豪男子勢でも、現No.1の49位マトセビッチは未だ5セットマッチで勝ち星がなく、105位のエブデンも今年4月にデ杯で当時700位台の選手に一度勝ったことがあるだけという有様。ベテランのヒューイットに残された時間は多くなく、期待されたトミッチは迷走中の今、5セットマッチを戦える真のトッププレーヤーの育成が豪男子勢にとって喫緊の課題なのは間違いないところ。たとえプレーオフで優勝を逃したとしても結局何人かはワイルドカードを貰えることだし、飴と鞭のバランスを取ったと言えるのかしら?
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大会3日目となった水曜は、男子準々決勝4試合。11時過ぎに会場に到着すると、既に第1試合のアダム・フィーニー vs ベン・ミッチェルは第3セット。
この日の予想最高気温は31度とあって、少し座っているだけで汗が吹き出してくる。恐ろしいことに、メルボルンはこの夏、09年以来の暑さとなる予報が出ているらしい。全豪は心の備えが必要かも。
第5シードのベン・ミッチェルは今年2月にキャリアハイの209位を記録したものの、5月からチャレンジャーを中心に8大会連続で初戦敗退があり、現在は326位となかなか苦しい一年だった模様。
今大会ポスターの顔の一人に選ばれたことからも、テニス・オーストラリアからの期待の高さが伺われる20歳のミッチェル(画像左から二人目)。ところで、毎年このポスターに載った選手は何故か大会を欠場するはめになったり、勝ち上がれないことが多い。今年もジェームス・ダックワース(同右から二人目)は同週に香港のフューチャーズに出場。女子第1シードのオリヴィア・ロゴウスカ(同左端)は初戦敗退。第2シードの16歳アシュリー・バーティー(同右端)も準々決勝で消えてしまった。まさに呪いのポスター。
シングルバックハンドが美しいアダム・フィーニーは27歳。07年9月に記録した248位がキャリアハイで、去年の今頃は1500位台までランクを落としていたものの現在は321位。ジュニアの頃はモンフィスに、プロになってからはクエリー、トミッチ、ディミトロフ、ククシュキンにも勝ったことがある人。
第3セットは、フィーニーの1ブレイクダウンの1-4からミッチェルの自滅的なミスの助けもあって5-5に追いついたものの反撃はここまで。第4セットに入ると、フィーニーは頻りに腕を気にする素振りを見せ始めた。どうやら痛めたようだ。道理でさっきからウィナーが決まっても誰も拍手をしていないと思った。フィーニーはやがて足に痙攣も。5セットマッチへの変更の影響が顕著に現れた結末となって、ミッチェルが今年4回目の対戦で初めてフィーニーを下して準決勝進出。
2013 Australian Open Wildcard Playoff
Men’s Singles Quarter Final
Benjamin Mitchell [5] def. Adam Feeney [4]
3-6 6-2 7-5 6-0
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