現在開催中のマイアミで、それぞれ病気療養からワイルドカードで復帰したアリサ・クレイバノワとヴィーナス・ウィリアムズの話。
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昨年7月悪性リンパ腫の一種、ホジキンリンパ腫で闘病中であることを明らかにしたアリサ・クレイバノワ。今大会は10ヶ月ぶりの試合出場に。
彼女の大会前の記者会見より。
「プロのアスリートなら、常に何かしら問題を抱えている」
「いつもどこかに痛みがある。毎日完璧な健康体で目が覚めることはない。それが仕事だから。毎日ひどい疲れがあるもの」
ランクは既に20位にいたものの、風邪のような症状を伴った慢性的な疲労感に悩まされていたというアリサ。昨年5月試合出場のためローマを訪れた際、ついにプレーできない状態に。
「ローマまではずっと症状を克服していたが、その時別の何かがあるとほぼ確信した。まだ全仏に出たい気持ちはあったけれど、それ以上回復しなかった。一旦立ち止まり、何がおかしいのかじっくり探ることを決めたのはその時」
ローマの病院で診察を受け病名を知った際は驚くと同時に、具合が悪かった原因がようやく分かって安心したとも。
「治療は基本的に私にとって非常に厳しい時間、ずっと厳しい大きな戦いになり、時間も随分かかることになるだろう。大きなトーナメントのようなものじゃない。全く違う、打ち負かすために本当に集中する必要があるもの」
アリサはそのままローマに留まり、キモセラピーを受けることに。治療に付き物の髪が抜ける症状について「全て抜けたのか?」という質問には、「ほとんど」と返答。
「私は一番大切なことはハッピーでいる事、笑顔でいる事だと思う。なぜなら、病気の時はそれがうまくいかないから。困難な時、疲れがある時は難しい。でも、そんな時でも自分のしている事を楽しむ必要がある。ネガティブでいたら困ったことになるから。常にポジティブでいなければならない。これが最も重要な事で、何をするにしても役に立つ」
ローマでの療養中は恋人のプロ・バレーボール選手、ジャコモ・リゴーニさんが毎日お見舞いに訪れたのをはじめ、家族、友人に囲まれて過ごしたとか。
「一つ気になっていたのは体の状態。長い事文字通り何も出来なかったので、ほとんどゼロからはじめなければならなかった。何もしていなかっただけでなく、治療でも体が衰えたから」
「最悪の時期は過ぎたと思いたいし、今は出来るだけ健康を保ち、楽しもうとしている」
昨年12月最後の治療を終え、今年初めからマイアミでトレーニングを再開。2月からはヒッティングも。
「テニスで私が一番好きなものは、トーナメントや試合」
「結果が好き。私は勝ちたい。プレーすること、試合でこの興奮や感情を味わうことが好き。それを感じられないのが一番寂しくて、多分それが私を全ての問題に取り組ませたのではないかと思う。だからこんなに短期間でここに戻って来れたのだと思うし、1回戦をプレーするのを本当に楽しみにしている」
「自分のランキングのことは考えたくない。どこまで行きたいかも考えたくない」
「ただコートに立って、テニスをして、いい気分になりたいだけ。厳しいのは知っている。毎年誰もが成長して、良くなっているから」
「今の時点で私の夢はもう叶った。ここにいる、ということが。私はコートに戻ってきた。これからはただテニスをするだけで幸せ。もし成功すれば、それは素晴らしいこと。たとえ最初からうまくいかなかったとしても、戻ってきてボールを打つだけで心が躍る。もう本当にハッピー」
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こちらは、アリサからのファンに向けてのメッセージ。
昨年5月以来10ヶ月ぶりの試合となった1Rではヨハンナ・ラーション(スウェーデン、64位)と対戦し、2-6 6-3 6-2で勝利。2Rではキリレンコにストレート負け。
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次の大会は来週のチャールストンを予定していたものの、肩に問題があり欠場へ。5月のマドリッド、ローマには出場を希望しているとか。
Charleston: Alisa Withdraws From Charleston - News - Alisa Kleybanova - Official Website
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自己免疫疾患の一種、シェーグレン症候群で休養。昨年の全米以来の試合となったヴィーナスは、1Rでクルム伊達公子、2Rでペトラ・クヴィトワ、3Rでアレクサンドラ・ウォズニアク、4Rでアナ・イワノビッチを下してベスト8と好成績。準々決勝ではアニエシュカ・ラドワンスカに敗退。
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1R後の記者会見で、病気にかかって以降の食生活の変化について尋ねられたヴィーナス。
「加工されていないものを食べるようになった。菜食も始めた。でも、誤魔化すこともある。だから私は(ベジタリアンを指す"vegan"と、「誤魔化す」という意味の"cheat"をかけて)"chegan"ね」
Tennis - Sony Ericsson Open - Wednesday - Venus Williams Press Conference
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こちらは4R、vsイワノビッチ戦から。エースを決めて首をグルンと回すヴィーナス。
復帰にあたり、彼女のブランド「EleVen」の新作も発表に。ヴィーナスは今回初めてメンズラインのデザインにも挑戦したとか。
Lookbook | Eleven by Venus (新作の数々はこちらで)
ヴィーナスは来週チャールストンに出場予定。
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アリサは見た感じ思ったよりも元気そうで、しかもいきなり一つ勝ってくれて嬉しい限りです。
ヴィーナスはQFのラドワンスカ戦しか見ていないのですが、既にお疲れだったのか、自慢のはずのサーブがへろへろでした。
ヴィーナスの自作ウェアと言えば昨年末、ミラノでのエキシビでフラビア・ペネッタと対戦中ポロリ寸前のアクシデントもありましたが、今回はそういうニュースを耳にしていないのできっと大丈夫だったのでしょう。新作は下着のチラ見せもないようだし、良かった良かった。
Photographic Prints of Tennis - Wimbledon Championships 2006 - First Round - Venus Williams v Bethanie from PA Photos
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