Friday, 19 September 2014

錦織くんのフルタイムコーチ、ダンテ・ボッティーニが錦織くんについて語る

全米準優勝後の13日に凱旋帰国、昨日夕方香港へと旅立った錦織圭選手。短い滞在の間には記者会見やらスポンサーへの挨拶回りやらジャガーのアンバサダーやらで忙しかったようですが、念願のノドグロは口にできたみたいで良かったです。

そんな錦織くんのフルタイム・コーチであるダンテ・ボッティーニ氏(以下ダンテ)についての記事をtennis.comで見つけました。以下は要約。

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かつてプロテニスプレーヤーを志していたダンテは、フューチャーズやチャレンジャーの出場機会を
求め故郷のアルゼンチンからヨーロッパへ。しかし、フューチャーズ二大会に出場するに留まり、シングルスの自己最高位は97年9月の827位。ダブルスは380位。

錦織くんのフルタイム・コーチに就いたのは、IMGアカデミーでヒッティング・パートナーを務めていた2010年暮れの事。当時の錦織くんについての印象は、

「改善の余地は大いにあると思った」
「才能があるのは明らかだったが、圭がより強くなるためにはハードワークが必要だと感じていた」
「圭はそれに取り組んできて、プレーのあらゆる面で向上している。今年は大きく成長したし、ずっと大人になった」

185cm以上の大男が席巻するATPツアーにおいて、錦織くんは178cmと小柄な部類に入るものの

「僕に言わせれば、圭はそれほど小さくない」
「彼は他の典型的な小柄な選手とは違う。なぜなら、他の選手より早くボールを捕らえることができる素晴らしいアスリートだから。自分のショットを打つのに多くの努力を要しない。タイミングがいいからだ。それに、いつもボールを打つのにバランスが取れていて、ポジショニングもいい。それはいくらかDNAに拠るもので、練習で何とかなるもんじゃない。圭は素晴らしいDNAを持っているんだ」

錦織くん自身は以前から体を強化する必要性を感じていたものの、度重なる怪我で継続的なトレーニングを積み重ねるまでには至らず。

「圭の怪我に関する問題は、精神的な部分に少しあったかもしれない」
「彼は痛みと怪我にどう対処したら良いのかよく分からなかった。しかし、彼は今年非常に長い試合をいくつか経験した。(マドリッドの)フェレール戦や(マイアミの)フェデラー戦とかね。それから全米でも。彼はそういうチャレンジにより上手く対処した。考え方を変えたんだ」
「彼の今の姿勢は『よし、痛みはあるけど対応できるぞ』。彼は自分の体をより理解している。痛みと怪我の違いや、どこまで自分を追い込めるかを分かっている。また身体的、精神的な面で強くなることで、以前より痛みに耐えられるようになった」

今年は体の強化に加え、サーブの改造にも着手。ダンテがコーチに就いた当初はトスを上げ上体を反らし落ちてきたボールを打っていたのを、

「トスした後、高い位置で打ちに行かせるようにしている」
「アグレッシブに打つようにね」

また、今年の錦織くんはラリーを減らし、よりリスクを取るプレーへと変化。以前は安全なクロスのラリーを選択しがちだったところを今はダウン・ザ・ラインへ、特にバックハンドでは打っていくように。

昨年末マイケル・チャンがコーチに加わったことで、チャンピオンの経験から来る信用性が加味されたそうで、

「最初はちょっと変な感じだった」
「でも実を言えば、マイケルはコミュニケーションに長けている。僕たちは同じ事を話しているのが分かると意気投合した。マイケルはとてもタフな選手だった。マイケルが『いいか。君は大丈夫だ。もっと追い込める。怪我はしない』と言えば、圭は耳を傾ける。全てが上手く行っている」

そして全米終了直後、ダンテが錦織くんにかけた言葉は

「いいか。これは何か大きな事の始まりだ。ここからの5大会をいい成績で終わろう。(ATP)マスターズ(・ワールド・ツアー・ファイナル)に出よう」

tennis.com - Putting the “Special” in Kei

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一昨年の全豪準々決勝、vsアンディー・マレー戦当日の練習で、錦織くんにボレーを打たせるのにダンテがフォアならフォア、バックならバックの肩の高さへ延々とボールを返し続けるのを見て、あまりの上手さに舌を巻きました。

錦織くんのコーチとして、世間の目はどうしてもレジェンド・プレーヤーであるマイケル・チャンばかりに向きがちですが、錦織くんとはより長い付き合いであり、ツアーでは常に付き添っているダンテのことも忘れないでね。

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