先週末有明で行われた試合の感想です。
日本 0-5 チェコ
今回日本は錦織、添田両選手が直前に欠場となり、第1試合に登場したのは急遽No.1の重責を担うことになった伊藤竜馬選手。
対戦相手がチェコチームの精神的支柱、ベテランのステパネックとあって苦戦が予想されましたが、第1セットのタイブレークを制し幸先の良いスタート。第2セットでもセットポイントがあっただけに、これを逃したのは実に残念。メディカル・タイムアウトでは聴診器で診察を受ける等体調が万全でない中、随所に竜馬選手らしい伸びのあるショットも見られ、今出来る範囲の最高に近いレベルでプレーを見せてくれたのではないでしょうか。よく頑張ったぞ!
第2試合に出場したのは、直前の召集でデ杯初出場となったダニエル太郎選手。
トップ50に定着して久しい格上ロソルを相手に2セットダウン。この時点では正直ストレートでの敗戦を予想していたのですが、そこからの太郎選手の頑張りは想像以上でした。5セットマッチは今回が初めてと経験は浅いながらも何とかしようとする姿勢を見せ、果敢にネットに詰めたり、外から大きな弧を描いてコートの隅に入るナダルばりのフォアのダウン・ザ・ライン等素晴らしいショットも連発。観客を大いに湧かせてくれました。敗れはしましたが、スター誕生と言っていいでしょう。太郎くん、チーム日本へようこそ!今後のプレーが楽しみです。
こちらは太郎くんの試合中の立ち位置を示す図。何だかかわいらしかったので。
天皇皇后両陛下が第3セットからご覧になった二日目のダブルスは、内山靖崇選手と伊藤竜馬選手のペアがステパネック&ロソル組と対戦。
内山選手は1Rのカナダ戦に続き、今回も目を見張るプレー。ダブルスではチームに欠かせない存在になってくれそうです。初日のシングルスに続く連戦となった竜馬選手も、前回のダブルス(昨年のワールドグループ・プレーオフ、vs コロンビア戦)とは打って変わった本来のプレー。チェコペアはこの試合で初めて組んだとは言え、そこはチームワークが強固な国。要所を押さえられ、結果的に両陛下に負けるところをお見せすることになったのは残念でしたが、プレーをご覧頂いたことは孫の代まで自慢できますね。
消化試合となった3日目。第4試合のシングルスに登場した内山選手は、ロソルから第2セットを奪い返してフルセットに持ち込む健闘。この日のようなプレーが出来れば、チャレンジャーレベルでも上位に進出できるでしょう。
第5試合はダニエル太郎選手と、チェコ期待の星イジー・ヴェセリーの21歳同士の対戦に。ヴェセリーは現在キャリアハイの67位とあってさすがに強かったですが、太郎くんもこれから体ができれば十分対抗できる雰囲気は感じられました。
そして、今回メンバーには入らなかったもののベンチに姿を見せた錦織くん。いつもはほぼ一人でポイントを稼ぐ役割を果たしている分、故障中ではありますが、今回の帰国ではちょうど満開を迎えた桜を楽しむ余裕も持てたでしょうか?錦織くんと言えば、5日放送の『炎の体育会』での一人対五人の勝負は傑作でした。特に、相手の「私待つわ!フォーメーション」であみんの事など知らないであろう錦織くんが歌に合わせて微妙に体を左右に揺らしていたところと、負けた後笑顔を作りつつも、内心悔しがっている様子がありありだったのが良かった。それにしても、「千手観音フォーメーション」やら「スカイタワーフォーメーション」やらよくぞ次々に思いつくなあ。でも、錦織くんが躊躇なくボディーを狙うなんて予想外だったんだろうなあ。対決前の細い筒にボレーを入れる特訓では、出演者の皆さんがあまりに真剣なのでバラエティー番組であることをいつしか忘れ、「頑張って!」と言いながら見入ってしまいましたよ。でも苦労した甲斐あって、本番ではよく決まっていましたね。やはり練習は嘘をつかないんですね。
ともかく、全敗の中でも日本チームの将来にとって明るい材料は少なくなかったことで、三日間通して楽しく観戦することができました。今年は1Rを勝ち抜いて、プレーオフの心配がないのも素晴らしい!来年2月の1Rは誰がどんな活躍を見せてくれるのでしょうか?今から待ち遠しいです。
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