来たよー!
錦織くん、いい顔だ。
子供がうらやましい。
試合開始。これまでの試合とは打って変わって、錦織くんはスタートから積極的に攻めているように見える。
しかし、そこはさすがに世界5位(当時)のフェレール。他の選手ならウィナーになりそうなボールでもバンバン返してくる。これは厳しい。ブレークポイントも何度か握りながら取り切れない。こう初めから長いラリーが続いては、錦織くんの膝が心配だ。
ところで、私たちの隣りには一人で観戦に来た地元の若い女性が座っていた。どうやらお姉さんはテニスには詳しくないらしく、一つ前の試合からずっと
「今コートにいるのは誰?いい選手なの?」
「この試合が終わって次の試合までは何分くらいあるの?」
「今のでゲームなの?セット?テニスのルールってよく分からない」
等うちのダーさんにいろいろと質問してきた。
「あのたくさん空いている席はコーポレート(法人)なの?全く馬鹿げてるわ!」
ですよねー。
自分たちは日本人で今日は錦織くんの応援に来たこと、錦織くんは日本テニス史上最高の選手(the best Japanese player ever)なのだと話すと、”Ever!?”と目を丸くして「日本ってテニスコートはどんな種類があるの?」と聞いてきた。恐らくここは「オムニ」と答えるべきだったが、ダーさんは砂入り人工芝の説明が面倒くさかったらしく「ハードとかクレーとか」とお茶を濁したところ、お姉さんは
「これ(ロッド・レーバー・アリーナ)はクレー?」
え゛っ!?
「……いや、ここはハ、ハード」
お姉さんは本当にテニスの知識はゼロに等しいようだ。なのに、決して安くないチケットを買って一人で見に来たんだな。こういう人が日本でも増えるといいのに。
錦織くんは第2セットに入るとあまり足に力が入らない様子で、いつリタイアしてもおかしくない雰囲気に。辛そうだ。錦織くんがコートに立っている姿を見ているだけでも十分幸せなのだが、怪我がひどくなるのは困る。
第2セットもフェレールが取り第3セットへ。まだ続けるのか。しかも、錦織くんは何か吹っ切ったかのようにプレーに力強さが戻ってきた。錦織くんのウィナーが決まる度会場がどよめく。ああ、やっぱりすごい。足が痛いくせに何4-3でリードしとんねん。錦織くん、あなたって人は……。
第9ゲームでフェレールにブレークを許し、そのままゲームセット。昨年に続くベスト8とはいかなったが、今大会は膝の故障を抱えながらもとにかくシードは守った。今年一年、錦織くんが大きな怪我なく過ごせますように。
それにしても、フェレールはやはり簡単な男ではなかった。これは勝手に私が思っていることだが、もしもフェレールに色紙に何か一言頼んだなら
一 | ||
ダ | 入 | 球 |
ビ | 魂 | |
ド |
と書いてくれそうな気がしてならない。彼が漢字やカタカナを知っているはずもないのに。
こちらは大会公式サイトから、この日の錦織くんの様子を追ったミニドキュメンタリー仕立ての動画。ワイルドカード・プレーオフのハイライトを作った人と同じ人の編集らしく、非常にドラマチックな作り。
Men's Singles - 4th Round
David Ferrer (ESP) [4] def. 錦織圭 (JPN) [16]
6-2 6-1 6-4
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